コミュニティ 2025年10月29日 読了時間: 6分

冷蔵庫の奥で忘れた食材”をどう救う?

uno mao
uno mao
株式会社COLBIO 編集者・ディレクター
北海道を拠点に、イベント企画・運営、編集者として活動中。
冷蔵庫の奥で忘れた食材”をどう救う?

「またダメにしちゃった…」という罪悪感を、ワクワクに変える冷蔵庫の探検術。


冷蔵庫の、あの薄暗い奥のほう…。

意を決してのぞいてみたら、先週買ったはずの使いかけの野菜や、いつ開けたか思い出せない瓶詰めが、「見つけてくれて、ありがとう…」とばかりに、ひっそりと佇んでいた。


あぁ、また、やってしまった。


「ちゃんと使い切ろうと思って買ったのに」

「お金も、食べ物も、もったいない…」

そんな小さな罪悪感と自己嫌悪が、チクリと胸を刺す。忙しい毎日の中で、そんな経験、誰にでもあるのではないでしょうか。

今回は、そんな「もったいない」という罪悪感を、「お宝探し」というワクワクに変えるための、親子のための〈社会科見学〉です。

冷蔵庫という、家庭でいちばん身近な「フードロス」の現場を、一緒に探検してみましょう!

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なぜ「冷蔵庫の奥」は、ブラックホールになるの?

そもそも、なぜ私たちは冷蔵庫の中のものを忘れてしまうのでしょう。

それは、あなたの「性格」が、だらしないからではありません。

(もしそうなら、世界中のほとんどの人が、だらしないことになってしまいます!)

原因は、冷蔵庫という「仕組み」そのものにあるんです。


1. 冷蔵庫は「ブラックホール」になりやすい

  • 奥が見えない: 手前のものに隠れて、奥に入れた食材は視界から消えてしまいます。「見えないもの」は、「存在しないもの」として、私たちの記憶からも消えていきやすいんです。
  • 冷やしすぎの「安心感」: 「冷蔵庫に入れておけば、とりあえず大丈夫」という安心感が、かえって油断を生みます。「いつか使おう」と思っているうちに、あっという間に時間は過ぎてしまうんですね。


2. 忙しい毎日の「とりあえず収納」

買い物から帰ってきて、疲れた体で食材をしまうとき。

「えーっと、にんじんは、とりあえず野菜室の空いてるスペースに…」

と、パズルのように詰め込んでいませんか?

その「とりあえず」の積み重ねが、どこに何があるか分からない「カオスな冷蔵庫」を作り出し、ブラックホールをさらに深くしてしまうんです。


「忘れた食材」が、私たちに教えてくれること

冷蔵庫の奥でしなびてしまった食材は、私たちを責めているわけではありません。

彼らは、「わが家の“クセ”を教えてくれる、大切なサイン」なんです。

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  • 「使いかけの玉ねぎ」が残るなら…

   → 「玉ねぎは、いつも半分しか使わない」というのが、わが家のクセ。

  • 「しなびた大葉」が見つかるなら…

   → 「10枚入りの大葉は、使い切れない」というのが、わが家のクセ。

  • 「賞味期限切れのドレッシング」があるなら…

   → 「新しい味に挑戦するけど、結局いつもの味に戻る」というのが、わが家のクセ。

ほら、なんだか愛おしい「わが家の食生活」が見えてきませんか?

「またダメにした」と落ち込むのではなく、「なるほど、わが家はこれが苦手なのか」と、客観的に分析してみる。そこから、フードロスを減らすヒントが見えてきます。


今日から気軽にできるポイント

さあ、罪悪感を手放したら、冷蔵庫を「ブラックホール」から「ワクワクする宝箱」に変えるための、簡単なポイントを試してみましょう。


ポイント①:「今週のレスキュー隊」ゾーンを作る

  • 冷蔵庫の一番目立つところ(例えば、中段のトレイなど)を、「レスキュー隊」の基地(専用ゾーン)に決めます。
  • 「使いかけの野菜」「賞味期限が近いもの」「早く食べてほしいもの」は、全部ここに集めます。
  • 料理の前に、まずこの「レスキュー隊」の基地を見て、「今日はこの子を救おう!」と考える。これだけで、「うっかり忘れ」が劇的に減ります。

ポイント②:「お宝(=残り物)」スープの日を決める

  • 毎週1回、例えば土曜日のお昼ごはんなどは、「冷蔵庫おそうじデー」と決めます。
  • 「レスキュー隊」の基地にいる野菜たちを、ぜんぶみじん切りにして、コンソメや味噌で煮込んで「お宝スープ」にしてしまいましょう!
  • いろんな野菜のダシが出て、意外と一番おいしいスープになったりします。子どもも「宝探しみたい!」と喜んでくれるかもしれません。

ポイント③:「買う」ときが、勝負の半分

  • 冷蔵庫の中を「管理」するより、そもそも「管理しきれない量」を「買わない」方が、ずっと簡単です。
  • 「わが家のクセ(診断②)」を思い出して、「大葉は本当に10枚必要?」「玉ねぎは小さいサイズにしてみようかな?」と、買う前に一度立ち止まってみる。
  • 買い物は「戦い」ではなく、「わが家に合うものを選ぶ、楽しい時間」です。


「使い切る」って、楽しい

冷蔵庫の奥で食材を忘れてしまうのは、あなたが食べ物を粗末にしているからではありません。

ただ、冷蔵庫という便利な道具と、ほんの少しだけ、すれ違ってしまっているだけ。

「レスキュー隊」の基地を作ったり、「お宝スープ」の日を決めたり。

それは、面倒な「節約術」ではなく、「食材の命を、最後までおいしくいただくための、楽しいゲーム」なんです。

「ぜんぶ使い切れた!」という達成感は、高級な食材を買うよりも、ずっと私たちの心を豊かにしてくれます。

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さあ、今日はまず、冷蔵庫の奥に眠っている「お宝」から、救い出してみませんか?


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