コミュニティ 2025年11月20日 読了時間: 6分

なぜ「牛乳」は、紙パックと瓶があるの?

uno mao
uno mao
株式会社COLBIO 編集者・ディレクター
北海道を拠点に、イベント企画・運営、編集者として活動中。
なぜ「牛乳」は、紙パックと瓶があるの?

給食の“懐かしさ”と、スーパーの“便利さ”に隠された秘密。


毎日飲む、冷たくておいしい牛乳。

スーパーに行くと、ずらりと並んだ「紙パック」の牛乳が、当たり前ですよね。

でも、ふと思い出しませんか?

小学校の給食で飲んだ、あの「瓶」の牛乳。

温泉に行ったとき、腰に手を当ててグビッと飲んだ、あの特別な瓶牛乳。


「そういえば、どうして牛乳の入れ物って、2種類あるんだろう?」

「紙パックと瓶、どっちが“おいしい”とか、違いはあるのかな?」

「なんでスーパーは、紙パックばっかりなんだろう?」


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その素朴な「?」は、いつもお世話になっている牛乳の「おうち(容器)」が、どんなお仕事をしているのかを知る、楽しい〈社会科見学〉の入り口です

今日は、「紙パックくん」と「瓶くん」、それぞれの秘密を探ってみましょう。


「紙パックくん」と「瓶くん」の“得意ワザ”くらべ

どちらも、牛乳を「新鮮なまま、安全に」私たちに届ける、という大切なミッションを持っています。でも、そのミッションを果たすために、それぞれ違う「得意ワザ」を持っているんです。


【紙パックくん】(優等生な、都会のヒーロー)

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得意ワザ①:「とにかく軽い!」

紙でできているので、とっても軽い! 一度にたくさん、楽に運べます。トラックのガソリン代も少なくて済むので、環境にもお財布にも優しいんです。


得意ワザ②:「光をシャットアウト!」

実は牛乳は、太陽やお店のライト(紫外線)がちょっと苦手。光に当たると、風味が変わってしまうことがあるんです。紙パックは光を通さないので、牛乳の美味しさをしっかり守ってくれます。


得意ワザ③:「カクカクで、スキマなし!」

四角いから、トラックにも、お店の棚にも、おうちの冷蔵庫にも、無駄なスペースなくピッタリ並べられます。とっても効率的!


ちょっぴり苦手なこと

一度開けると、冷蔵庫の中にある他のおかず(キムチや、お魚など)の匂いが、少し移りやすいかもしれません。


【瓶くん】(昔ながらの、頼れるベテラン)

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得意ワザ①:「匂いを絶対、通さない!」

ガラスでできている「瓶くん」は、匂いを通す隙間がありません。冷蔵庫に何があっても、牛乳本来の「しぼりたての風味」を、ガッチリ守ってくれます。


得意ワザ②:「何回も使える、エコヒーロー!」

彼の一番すごいところは、「リユース(再使用)」できること。飲み終わったら、きれいに洗って、また新しい牛乳を入れて…。ゴミを出さずに、何度も活躍できるんです。


得意ワザ③:「冷たさが、ごちそう!」

ガラスは、冷たさがキーンと伝わりやすい素材。あのお風呂上がりの「グビッ!」という特別な美味しさは、瓶くんならではの演出ですね。


ちょっぴり苦手なこと

重たいこと。そして、光を通しやすいので、茶色い瓶にするなどの工夫が必要なことです。


なぜ「スーパー」は紙パックばかりなの?

「得意ワザ」が分かると、謎が解けてきます。スーパーマーケットが「紙パックくん」を選ぶ理由は、彼が「大量に・遠くまで・効率よく」運ぶお仕事の、天才だから。スーパーには、毎日、本当にたくさんの牛乳が必要です。軽くて、運びやすくて、お店にたくさん並べられる「紙パックくん」は、まさにスーパーにとって最高のパートナーなんですね。

「じゃあ、瓶くんは、どこで活躍してるの?」

瓶くんが活躍している場所には、ある「共通点」があります。

それは、「空き瓶を、簡単に“回収”できる場所」だということです。

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「給食」: 学校という「決まった場所」に毎日届けて、飲み終わった空き瓶を、その場で「回収」できますよね。

「宅配」: おうちという「決まった場所」に届けて、次の日に空き瓶を「回収」できます。

「温泉」: その「場所」で飲んで、その場で「回収」できます。


「瓶くん」は、「リユース(再使用)」が最大の得意ワザ。だから、空き瓶を回収する「帰り道」がちゃんと用意されている場所で、今も変わらず、大活躍してくれているんです。


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今日から気軽にできるポイント

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どっちが「良い・悪い」ではありません。それぞれのお仕事を知ると、牛乳を飲むのがもっと楽しくなりますよ。

今日から気軽にできる、こんなポイントはいかがですか?


ポイント①:夢の「飲み比べ」実験!

もし機会があれば、スーパーで「紙パック牛乳」を、デパートや宅配などで「瓶牛乳」を手に入れて、同じコップに注いで飲み比べてみましょう。

「あれ、なんだか匂いが違うかも?」

「瓶の方が、後味がスッキリしてる?」

「どっちが好きかな?」と、親子で「利き牛乳」をしてみる。これぞ、最高の探究学習です!


ポイント②:「匂い移り」を、体感してみる

紙パックの牛乳は、開けたらなるべく早く飲むか、匂いの強いもののそばに置かないようにしてみる。

もし瓶牛乳が手に入ったら、「本当に匂いが移らないか」冷蔵庫で確かめてみる(親御さんの管理のもとで)。

容器の「得意・不得意」を、自分の鼻で実感してみましょう。


ポイント③:「瓶、ありがとう」の気持ち

もしお子さんが給食で瓶牛乳を飲んでいたら、「その瓶、またきれいに洗われて、明日も誰かの元に届くんだね」「リユースってすごいね!」と、環境について話すきっかけにしてみてください。


「入れ物」は、牛乳からの“メッセージ”

紙パックも、瓶も。

どちらも、美味しい牛乳を、安全に私たちの元へ届けるために、考え抜かれた「知恵の結晶」でした。


スーパーで紙パックを選ぶときは、

「遠くまで、効率よく運んできてくれて、ありがとう!」


給食で瓶牛乳を飲むときは、

「何度も使えて、環境に優しくて、ありがとう!」

その牛乳が、どんな「入れ物(服)」を着ているか。

それは、その牛乳がどんな「旅」をして、どんな「お仕事」を期待されているかを伝える、大切な“メッセージ”なのかもしれませんね。


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